Outlookのスケジュールは、他のツール同様、一件一件手入力するだけでなく、定例的なものはサイクルやタイミングを指定することで繰り返し設定することもできます。
でも、業務上のスケジュールは大概営業日を意識する必要があり、Outlookにあるような毎月〇日とか毎週〇曜日という設定だけでは微調整が発生しますし、月初〇営業日と営業日ベースで決められている予定についてはOutlookの繰り返し設定機能では全く対応しようがありません。
そこで目を付けたのが、Outlookのリスト化されたスケジュールを読み込ませて一括登録する機能です。この機能を活用し、あらかじめExcelで営業日やそれをベースとした業務スケジュールのリストを作成してOutlookに一括登録することを考えました。
今回は、この一括登録用データを作成するツール及びその仕組みについてご紹介したいと思います。
営業日カレンダー及び営業日に基づく業務スケジュールの登録フロー
一括登録用データの作成から登録までのフローは以下の通りです。
A 休業日情報の設定
Excelで、祝日など曜日に関わらずに休業日となる日を1年分リストアップします。
私の場合は、社内システム上に休業日のデータがありましたのでそれを取得する仕組みにしましたが、そういったものが無い場合は手でリストアップします。祝日であれば以下のようなサイトやOutlookの祝日スケジュールをエクスポートすることにより年ごとのデータを取得できますので、それをもとに加工するのが効率的と思います。
B 営業日の判定
ExcelのAとは別のシートに1年分の日付のリスト(曜日による休業日がある場合は曜日付き)を作成し、Aとの比較からその日が営業日かどうかを関数で判定します。さらにこの営業日について、関数で毎月1日にリセットしながらカウントすることでその日が月初何営業日かを判定します。
C 業務スケジュールの設定
定例業務をリストアップし、サイクル(日次、週次、月次、期次、年次)とタイミング(月初○営業日、暦日○日)、時間帯や内容を設定します。
D 登録用データの作成(営業日スケジュール)
Bより1年分の営業日データを作成します。フォーマットのイメージは、以下の通りです。
件名 | 開始日 | 終了日 | 終日スケジュール | 分類 |
1営 | 2022/3/1 | 2022/3/1 | TRUE | 営業日 |
2営 | 2022/3/2 | 2022/3/2 | TRUE | 営業日 |
私はEのデータも作成するためマクロしで処理しましたが、Bをこの登録用データの形で作っておけば、営業日かどうかの判定欄でフィルタをかけるだけでも作成可能です。
E 登録用データの作成(業務スケジュール)
BとCより、1年分の業務スケジュールデータを作成します。フォーマットのイメージは、以下の通りです。
件名 | 開始日 | 開始時刻 | 終了日 | 終了時刻 | 終日イベント | 分類 | 内容 |
001 △△△△(1営)<定例業務> | 2022/3/1 | 9:00 | 2022/3/1 | 11:00 | FALSE | 定例業務 | 担当者:A 特記事項:○○について事前に確認。終了後○○へ連絡。 |
002 ◇◇◇◇(2営)<定例業務> | 2022/3/2 | 13:00 | 2022/3/2 | 14:00 | FALSE | 定例業務 | 担当者:B 特記事項:○○について事前に確認。終了後○○へ連絡。 |
003 □□□□(3月2営) <定例業務> | 2022/3/3 | 13:00 | 2022/3/3 | 14:00 | FALSE | 定例業務 | 担当者:C 特記事項:○○について事前に確認。終了後○○へ連絡。 |
私はマクロで処理しましたが、毎月月初○営業日のスケジュールだけであれば、Dと同様に、業務ごとに毎月の予定日を判定し、縦に繋げていくことでリストを作成することができます。
でも、暦日ベースで設定し、営業日でない場合は前後にずれるようなタイミング設定の業務については、あまりパターンがあると関数による処理は大変ですので、マクロで処理することをオススメします。
F Outlookの登録
D及びEで作成したデータをcsv形式で保存し、それをOutlookにインポートして一括登録します。
インポートするフォルダは、アカウントのメインの予定表でも良いのですが、専用のサブフォルダーを作成してその中に登録するのがオススメです。
(後日登録しなおしたりする場合、他のスケジュールをうっかり消すなど影響してしまうことを防ぐことができます。)
営業日登録用ツールについて
続いて、私の作成したツールをどなたでも簡単に使っていただけるよう簡略化した、Outlookに営業日の一括登録用データを作成するツール(営業日登録用ツール)についてご紹介したいと思います。
営業日判定・登録用シート作成
👆休日設定シートにて、1年分の休業日となる日にち及び曜日を定義します。
(デフォルトで、祝日+三箇日+大晦日+土日休みが登録されています。)
「営業日判定シート」に、Excel関数で「営業日かどうか」と「月初何営業日か」が判定されます。
👆[Outlook登録用csvファイル作成]ボタンクリックします。
「スケジュール登録用シート」が更新され、
ツールと同じ場所に「営業日登録用シート.csv」が作成されます。
Outlookへの一括登録
👆Outlookのスケジュールを開き、[フォルダー]タブの[新しい予定表]をクリックします。
👆 一括登録用の予定表をわかりやすい名称で作成します。
👆 メニューバーの[ファイル]の[開く/エクスポート]をクリックします。
👆 [インポート/エクスポート]をクリックして、ウィザードに従い
「営業日登録用シート.csv」を先ほど作成した予定表にインポートします。
登録済みのスケジュールは、一覧表示にて全てでも一部でも選択して削除可能ですので、もし、間違いがあったりスケジュールの見直しがあったりした場合に、データを再作成して登録しなおす作業もそんなに負担になりません。
まとめ
私の職場では、従来事務の方が毎月翌月分の業務スケジュールをカレンダーとともにExcelで手作成して共有フォルダへ保存、リンクをメールで関係者へ配布していたのですが、これを1年分纏めて簡単に会社の標準スケジューラーであるOutlookで共有できるようになり、その業務のポイントや結果など関連情報についても一元管理できるようにしたことで、スケジュール管理だけでなく業務全体の効率化になりました。
Outlookの営業日カレンダーは、上記業務とは関係ない業務においても重宝されましたし、営業日ベースのスケジュール管理が必要な方にはぜひ実践していただきたいと思います。
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